【解説】足立区の実家を建て替える・リフォームする|一級建築士・・・|足立区で注文住宅・リフォームを手掛ける工務店

【解説】足立区の実家を建て替える・リフォームする|一級建築士事務所・浅野工務店株式会社

「別々に住むより安心、同居しようかな……」
「実家を建て替えて住もうかな?予算的にリフォームかな…」

いま、結婚や子育て、親の高齢化をきっかけに、実家をリフォーム・建て替えて同居を考える方が増えています。
しかし、同時に「家の古さ」や「設備の使いづらさ」が気になる方も多いようです。

この記事では、実家での同居を見据えた建て替え・リフォームのヒントを、足立区での実際の事例や補助金制度とあわせて紹介します。
親世帯・子世帯どちらにとっても心地よい暮らしの実現に向けて、ぜひ参考にしてください。

目次

1.実家の建て替え、リフォームを考えるきっかけ

実家の建て替えやリフォームを考えるきっかけは、どのようなものが多いのでしょうか。
ここでは、代表的なケースを紹介します。

(1)両親だけの暮らしが続いている

ご両親が実家で二人暮らしを続けていると、老朽化した住まいでの生活に不便や不安を感じる場面が増え、建て替えやリフォームを考えるきっかけとなります。
とくに昭和56年(1981年)5月以前に建てられた住宅は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があり、地震時の安全が懸念されます。

さらに、子世帯が遠方で暮らしている場合、「介護が必要になったらどうしよう」「バリアフリーにしておくべきでは」などと不安に思う方も多いです。
大切なご両親が安心して暮らし続けることができる住まいにしたいと思ったとき、建て替えやリフォームを考え始めます。

(2)親が一人で実家に暮らしている

ご両親のどちらかが亡くなり、親が一人で実家に暮らしているケースでは、安全面や精神面の不安が高まります。
高齢になるほど、火の不始末や戸締まりの不安など、生活全般に対する心配が増していくものです。
さらに家の中での転倒事故や、病気の発見が遅れるリスクも見逃せません。

また、家族と離れて暮らすことで孤独感が強まり、体調や気力にマイナスの影響を与えることも。
こうした不安を減らし、安心して暮らせる環境を整えたいとの思いから、同居を前提にリフォームや建て替えを検討する方も多くいます。

(3)相続した実家が「放置」されている危機感

相続した実家を使わないまま放置していると、思わぬリスクを招く可能性があります。
たとえば、老朽化が進んだ建物は倒壊や火災の危険があり、放火や不法侵入などの犯罪につながることも。
草木が生い茂ったり、劣化した外壁や屋根材が飛散したりして、近隣トラブルに発展するケースもあります。
管理が不十分な空き家は「特定空き家」に指定され、行政指導や固定資産税の減額対象外になることも考えられます。

こうした事態を防ぐために、「住む」「貸す」といった活用方針を考えたときにも、必要に応じた建て替えやリフォームが検討されます。

(4)結婚や子どもの誕生など

ご自身の結婚やお子様の誕生を機に、実家を建て替えたりリフォームして同居を始めたりする方が増えています。
たとえば、「出産後の子育てを両親にサポートしてもらえる環境がほしい」「共働きで保育や家事を分担できる体制を整えたい」といった理由から、実家の活用を検討するケースが多く見られます。

すでに家がある場合、新たに土地を購入せずに済む点も大きなメリットです。
家族のかたちやライフスタイルに合わせて、二世帯住宅など柔軟な住まい方が選ばれています。

2.実家で一緒に暮らすメリット

ここでは、実家で親と一緒に暮らすことの利点について、具体的に見ていきましょう。

(1)経済的負担の軽減

実家で親と同居すると、生活費や光熱費を分け合うことができ、月々の支出を抑えやすくなります。
また、家の修繕費用や固定資産税の負担も分担できるため、長期的な家計管理にもプラスになります。

実家を建て替える場合、もともと土地があるため新たに土地を購入する必要がありません。
既存の家の解体費用は必要ですが、土地購入分のコストを削減できます。

このように、実家を活用した同居には、経済的負担を抑えて無理なく貯蓄を続けられるという経済的なメリットがあります。

(2)精神面のサポート

実家での同居は、経済的な面だけでなく、精神的な安心感も大きな魅力です。
子育て中であれば、親の助けを得ながら育児や家事を分担できることは心強く、共働き家庭にとっては大きな支えになります。
また、独身の場合でも、家に誰かがいてくれることで孤独を感じにくくなり、精神的な落ち着きが得られるという声もあります。

このように、日常のちょっとした不安や負担を分かち合える存在が身近にいることは、実家で同居する大きな利点といえるでしょう。

(3)生活面でのメリット

実家での同居により、掃除や洗濯、食事づくりなどの家事を分担すれば、負担を抑えて効率よく暮らすことができます。
防犯面でも在宅時間が長くなることで空き巣などのリスクが減り、災害時にはすぐに助け合える安心感も得られます。
日常の安全性や家事の効率を高められる点も、実家での同居を選ぶ理由として注目されています。

3.私たち浅野工務店が建て替え&リフォームしたご実家の事例

ここからは、浅野工務店が足立区で手がけた実家の建て替え・リフォーム事例を紹介します。
実際にどのようなきっかけで建て替えやリフォームが行われ、どのような暮らしに変わったのか、ぜひ参考にしてみてください。

(1)二世帯に建て替えられたW様邸

築40年以上になる家の寒さや設備の老朽化をきっかけに、「そろそろ建て替えようか」と考え始めたW様ご夫婦。
ちょうどその頃、別に暮らしていたご長男から「それなら同居しよう」と声がかかり、お孫さんが小学校に上がる前に、3階建ての二世帯住宅への建て替えが決まりました。

建て替えにあたっては、思い出の詰まった丸太の梁を新居に活かしたいとの希望があり、和室の一部に再利用。
「古いものがあると、ホッとする」とご主人にも喜んでいただきました。
家族全員で相談しながらかたちにした家は、世代を超えて暮らせる安心の住まいとなっています。

(2)店舗から二世帯に建て替えられたY様邸

もともと店舗兼住宅として使われていたY様邸。
建て替えかリフォームかで迷われていましたが、検討の結果、生活空間をしっかり分けられる完全分離型の二世帯住宅へと建て替えることになりました。

外観には、ご主人が勤務されているタイルメーカーの製品を採用。
正面の印象的なデザインが、住まいへの愛着をさらに深めるポイントとなりました。

間取りは玄関やキッチン、水まわりをすべて別々に設けたことで、世帯ごとの暮らしをしっかり守りながら、安心して隣り合って暮らせるように。
さらに愛猫のためにキャットウォークを設けるなど、ペットを含めたご家族全員が快適に暮らせる工夫も施されました。

限られた敷地を有効に活用するため、小屋裏には収納スペースを確保。
季節用品や思い出の品などをすっきり収納できる住まいになっています。

(3)大正15年に建てた築95年の家を建て替えられたK様邸

大正15年に建てられた築95年の平屋にお住まいだったK様。
建物の老朽化が進み、現場見学会へのご参加をきっかけに、建て替えのご相談をいただきました。

建て替え後は、ベビーカーや車椅子でも通れる広めのスロープを設置し、塀の一部に生垣を取り入れるなど、暮らしやすさと景観の両立を実現しています。

足立区の助成金制度も上手に活用し、無理のないご予算で安心の住まいづくりが叶いました。
100年近く家族を見守ってきた家が、新しいかたちで地域に根ざす住まいへと生まれ変わった素敵な事例です。

(4)耐震と断熱リフォームをされたS様邸

築40年以上の家に暮らしていたS様ご夫婦と娘さん。
東日本大震災を機に耐震性が心配になり、さらに猛暑による体調不良も重なって、「そろそろ本気で建て替えよう」とご相談をいただきました。

浅野工務店では、耐震補強工事に、基礎部分に鉄筋入りの基礎を増設したり、柱や筋交い、梁を増やしたり、金具で留めるなどの措置をおこない、地震に強い安心できる住まいにリフォームします。
さらに内装も、壁や押し入れに地震に強いボードを使うなど、耐震性を上げる工夫をおこなっています。

断熱リフォームでは、CW断熱工法を採用。ウレタン吹き付け工事は現場で発泡する(30倍発砲)断熱材のため隙間が少なく、気密性も高いため、冬は暖かい室温に保てる効果があります。
また、外部にアルミシートを張ることによって、真夏の暑い熱気がこもらず、快適な環境をつくることができます。
以下の画像は別の工事風景ですが、断熱と耐震リフォームの参考としてご紹介します。

S様のご希望は「地震に強く、夏も涼しく過ごせるコンパクトな家」。
ご予算1800万円の中で可能なプランをご提案しましたが、後日、娘さんから「私が費用を出すので、母が気に入るキッチンにしてほしい」と連絡があり、200万円を追加しプランを再考しました。

娘さんの想いとご夫婦の気遣いが重なり、家族みんなにとって納得のいく住まいが完成しました。
これからも安心して、快適に暮らしていただけることでしょう。

(5)お孫さんと住むためにリフォームされたB様邸

お孫さんの誕生をきっかけに、別々に暮らしていた息子さんご夫婦との同居を決められたB様。
ご一緒に暮らす前に、気になっていた壁紙や床の張り替え、洗面台の交換など、内装のリフォームをご依頼いただきました。

長年使っていなかったお部屋のカーペットはフローリングに変更し、階段には手すりも設置。
ご家族が快適で安全に過ごせるよう、細やかな部分まで整えました。

リフォーム後は、安全性が高まり、親世帯・子世帯ともに快適に過ごせる空間へと生まれ変わっています。

4.補助金が利用できる!足立区の実家を建て替え・リフォームする場合

実家を建て替えたりリフォームしたりする際、補助金制度を活用できる場合があります。
とくに、耐震性の確保や断熱・省エネ性能の向上を目的とした支援制度は国や多くの自治体がおこなっており、活用すると建て替えやリフォームの費用を抑えやすくなりお得です。

(1)耐震性能を高めるための助成金制度

耐震改修に利用できる足立区の助成金制度を紹介します。
最新の情報は、足立区の公式サイトでご確認ください。

① 旧耐震の木造住宅耐震診断費用の助成

昭和56年(1981年)5月以前に建てられた木造住宅に対し、耐震診断の費用を助成する足立区の制度です。1戸あたり最大30万円まで助成されます。

② 旧耐震の耐震改修工事等費用の助成

区の制度を利用し耐震診断を受けた結果、耐震改修が必要と判断された住まいに対し、1戸あたり150万円を上限に、工事費用の9割が助成される足立区の制度です。
また、改修ではなく建て替えを選ぶ場合は、1戸あたり150万円を上限として、解体費の9割が助成されます。

(2)断熱・省エネに対する支援事業

断熱性能の向上や、省エネに寄与する工事に利用できる補助金制度を紹介します。

① 子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯が省エネ住宅の新築・建て替えする場合に、国が支援する事業です。
住宅の省エネ性能に応じて、補助額や古家の除去に対する加算額が変わります。

補助対象住宅補助額(1戸あたり)古家の除去をともなう場合の加算額(1戸あたり)
GX志向型住宅※160万円なし
長期優良住宅80万円20万円
ZEH水準住宅40万円20万円

※GX志向型住宅は全世帯が対象。2025年7月22日に予算上限額に達したため受付終了。

リフォームに対しては、世帯の種類を問わず、ドアや窓の断熱・省エネ設備の導入などに対して、1戸あたり最大60万円まで補助されます。

② 先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業は、窓やドアの断熱リフォームに対する、国の支援事業です。
1戸あたり最大で200万円まで補助されます。

③ 既存住宅の断熱リフォーム支援事業

既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、家全体、あるいは居間だけを断熱リフォームする場合に、1戸あたり最大120万円まで補助される、国の支援事業です。

④ 省エネリフォームに対する補助

省エネリフォーム補助金は、足立区がおこなっている支援事業です。
窓ガラスの交換や、内窓の新設などに対し、1戸あたり最大5万円が補助されます。

(3)補助金・助成金を利用する場合の注意点

多くの制度では工事の着工前に申請することが必須であり、着工後の申請は対象外になることがほとんどです。
また、予算が上限に達すると受付終了となるため、申請時期にも注意が必要です。
制度ごとに手続きや窓口が異なるため、早めの情報収集と準備が大切です。
不明な点があれば、施工業者や自治体に相談しておきましょう。

(4)生活費と建て替え・リフォーム費を明確にして計画を!

実家の建て替えやリフォームを検討する際は、将来の生活費と工事費のバランスを踏まえた資金計画が欠かせません。
工事費はもちろん、住宅ローンの有無や返済期間、補助金の活用による軽減効果などを含めて、総額を把握することが大切です。

また、同居によって生活費がどう変わるのか、日常の支出もあわせて見直すと、無理のない資金計画が立てやすくなります。
将来のライフプランも視野に入れながら、早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

5.まとめ

「実家で暮らそうかな」と考えたとき、家の老朽化や使い勝手の悪さに不安を感じるのは自然なことです。
建て替えやリフォームによって、思い出の詰まった実家を安心・快適な住まいへと再生させることは可能です。
二世帯での暮らしは、経済的にも精神的にも多くのメリットがあります。

足立区は、耐震・断熱・省エネなどを対象とした補助金制度も充実しており、うまく活用すれば費用の負担を抑えながら理想の住まいを実現できます。
浅野工務店では、実家の建て替えやリフォームの豊富な実績があり、補助金申請のサポートもおこなっています。
将来のライフスタイルを見据えた同居を検討されている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

浅野義行
著者プロフィール
著者:浅野 義行
浅野工務店株式会社 代表取締役社長
1967年に実父が足立区で創業した浅野工務店に、1998年に入社。2008年より代表取締役社長に就任。
以来、足立区専門の地域密着型工務店として、お客様の住まいに対する不安や不満を解決することを使命とし、一つ一つの仕事を丁寧に、誠実に取り組んでいます。
足立区ならではの住環境や特性を誰よりも理解しているという自負のもと、地域住民の方々がより快適に暮らせるための提案を行っております。
足立区にしっかりと根を張り、地域の皆様に末永く愛される工務店を目指し、日々精進しています。
  • 【最終更新日】2025年11月10日 10:56:53
  • 【投稿日】2025年11月10日 10:56:52