39.対面キッチンにリフォームされた中村様|足立区で注文住宅・リフォームを手掛ける工務店

39.対面キッチンにリフォームされた中村様

中村様は、35年前に別の工務店で家を建てられた方です。その工務店が廃業してしまったため、私どもにリフォームのご相談の依頼がありました。お宅にうかがうと、ご夫婦で待っていてくださいました。

「よその工務店で建てた家だけど、お願いできるかな」

「ええ、もちろんかまいません。どんなことでお困りですか?」

「シンクが古くなってきて、汚れがとれないの。友人がキッチンを取り替えたんだけど、掃除がすごく楽だっていうし、コンロは安全装置もついてて安心だって。だから思い切って、憧れの対面キッチンにしたいと思うのよ」

お話しになる小柄な奥さまの腕に、小さなやけどの跡が見えました。

「奥さん、キッチンの高さ、少し高くないですか?」

「え?どうしてわかるの?」

「キッチンの高さは85センチが標準ですが、これは身長が160センチぐらいの人がちようどよい高さです。小柄な方には高すぎて、腕にやけどをすることがよくあります」

「そうなの、ちょっと高いなと思ってたけど、私が小さいから仕方ないと思ってたわ。道理で使いづらいわけね」

「高さの合わないキッチンでお料理を作っていたわけです。毎日のことですから、たいへんです。なかには腰痛の原因になることもあります。奥さんの身長には、たぶん75センチタイプが合うと思います」

「あら、いろいろな高さがあって選べるのねー」

「設置してしまってから低すぎる、高すぎる、と思っても、簡単には取り替えられません。実際に、ショールームに行って試してみましょう。高さだけでなく奥行きも種類があります。65センチが標準ですが、60センチのタイプもあります。でも、奥行きは今のままで大丈夫でしょう。ちなみに、家のなかではスリッパですから、正確な高さを知るためにショールームでは靴をぬいで体験していただきますので、よろしくお願いします」

ショールームで確かめていただいたところ、やはり75センチがピッタリでした。次は、対面キッチンのご相談です。

「ご希望の対面キッチンにするには、冷蔵庫や食器棚を背にして立つようになりますので、12畳ほどの広さが必要です。そのため、現在の台所だけでは無理がありますので、隣の和室とつなげて大きいリビングにしてはいかがでしょうか。その分、費用がかかってしまいますが、快適な空間になります」

「広くなって気持ちいいわね。じゃあ、ついでに台所全体を明るくしたいわー」

「では次回、設計図と一緒に壁紙と床の色見本を持ってきますので、お好きな色を決めてください」

6日ほどで工事が終わり、新しい対面キッチンを前に奥さまは明るい表情です。

「キッチンが明るくて気分もいいし、お料理も楽になったわ。蛇口もシングルレバーになったし、瞬間湯沸かし器だったから使いにくくて、ガス漏れも心配だったけど、これでもう安心だわ。こんなによくなるんだったら、もっと早くやっておけばよかったわ」

先ほどの山本様の奥さまと同じことをおっしゃいました。リフォームでは「明るくしたい」というお客さまが多くいらっしゃいます。クロスでも日焼けしていたり、暗い色が多い塗り壁や板の壁を、明るい色のクロスにするだけでもグンと明るく、気持ちよくなります。ですから、「明るくしたい」というお客さまには、クロスの張り替えをァドバィスさせていただくこともあります。

また、中村様の場合、キッチンやクロスの色などを奥さまが積極的に決めてくださいましたが、「おまかせします」という方もいらっしゃいます。

「ショールームで、実際に体験しましょうか」「めんどくさいから、いいわ。おまかせします」「クロスの色はどうされますか?」「明るい色ならなんでもいいわ」あるいは、「全部まかせる。浅野さんのセンスでいいから、私たちに合いそうなものに決めておいて」というお客さまもいらっしゃいます。そんなお客さまには、「こんな色、どうですか」「この色にしておきますが、いいですか」と確認しながら進めていきます。

ただ、ここで気を付けなければいけないことがあります。お客さまは、どうしても私がおすすめしたものを選びがちだからです。そのため、世間話をしながらお客さまがなにをお好きか、室内でどのように動かれているかなどに注意して、アドバイスさせていただいています。